【フランス・イタリア合作】L'Innocent 1976 イノセント
トゥーリオ・ヘルミルは、愛人を妻に見せびらかす排外主義者の貴族だが、彼女の浮気を信じると、再び彼女に夢中になる。
監督
ルキノ・ヴィスコンティ
脚本
ガブリエレ・ダヌンツィオ
スソ・チェッキ・ダミーコ
エンリコ・メジオーリ
主演
ジャンカルロ・ジャンニーニ
ラウラ・アントネッリ
リナ・モレッリ
ルキノ・ヴィスコンティの遺作となった本作は、ガブリエル・ダンヌンツィオの小説を原作とし、世紀末イタリアにおける貴族の排外主義と性的二重基準を描いた心に染みる作品である。ジャンニーニは欲望が満たされない精神病の夫、アントネッリは繊細で苦悩する妻、オニールは狡猾で独占欲の強い愛人である。
ヴィスコンティの遺作となった本作の気だるいテンポは、私にとって問題ではない。彼は老人で、車椅子から監督をしており、かなりペースダウンしていた。マーラーの交響曲の長い緩徐楽章--『ベニスに死す』では彼の曲が使われたのを覚えているだろう--のようなものだと考えれば、納得がいくだろう。
私が知りたいのは、ガブリエレ・ダヌンツィオの小説についてである。ある解説者は、主人公の男性は自分の信念に忠実な一種の『無神論的英雄』であり、ヴィスコンティは彼を利己的で不快な金持ち貴族として描くことで作者の意図を覆したと主張している。イタリア文学の権威の方で、この作品に光を当ててくださる方はいらっしゃいますか？
P9W******
2024-01-11 22:17すばらしい作品です！ありがとうございます。
滅びゆくものはすべてが美しい、というのでしょうか。ため息のでる美しさです。