彼女からの依頼だった
珍しい女性 そんな印象だった
律義、几帳面、清楚 まさにそんな電話の応対だった
「自ら希望して 自らの意見を述べたいです」
「結婚して幸せに暮らしています。旦那のことも愛してますよ」
「大学を卒業して特別支援学校の教員としてずっと働いています」
真面目を絵に描いたような女性だった
駅に来てくれた
待ち合わせの時間の１５分前
**の教員らしい地味な服装
ベージュのワンピースにストレートな黒髪
申し分のない美貌
私も正直、驚いた
こんな女性が不倫を希望 節操を持ちすぎるほど持っている女性が
そんな百合の咲く午後
「貴方。いつもお仕事ご苦労様です」
優しく旦那に手を振る人妻
「私は特別支援学校の教員です。貴方も先生をやってるわよね」
そう彼らは夫婦揃って教員だった
固い職業の夫婦
その奥さんが不倫告白
そして
「いつも家事をやってくれて、お仕事も頑張ってくれてありがとう」
「本当に貴方のこと、愛してるわ。でも私、今日は有給を取って、ある所に来ています」
「ここはどこでしょうか？」
旦那に謎かけする奥さん
「正解はラブホテル」
「ラブホテルでマスターと不倫をしています」
「貴方の知らないこんな昼間に不倫をしにきたの」
残酷な告白だった
「これから貴方の知らない私の大好きな秘密の人と不倫をするの」
「これが貴方に贈る私のビデオレター」
「またね」
再び旦那に手をする教員の妻だった
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