脚本もエロも備わった最良傑作【アメリカ名作】Ecstasy Special 1978 エクスタシー・スペシャル
不幸な主婦ヴァレリーは、性的な役割を演じる高級娼Xになることで、自分の性を探究することを決意する。これにより、彼女は従順な弁護士との不幸な結婚生活に疑問を抱くようになる。
監督
ゲイリー・グラバー
脚本
ゲイリー・グラバー
出演
アネット・ヘイヴン
ジョン・レスリー
ポール・トーマス
見た目より中身がある
偽名「ロバート・マッカラム」こと、実在した映画監督であり撮影監督の第一人者である故ゲイリー・グラバーは、冒頭のスクロールが示す内容から、このアダルト映画（彼または他の誰かの最高傑作のひとつ）が、 最高傑作のひとつであるこのアダルト映画は、実在の**を基にしていると主張したのかもしれない。しかし、世界の映画に多少通じた視聴者であれば、ルイス・ブニュエルの『昼顔』がインスピレーションの源となっていることはすぐに分かるはずだ。センセーショナルなタイトルは無視するのが一番だ。残念ながら、この映画は「搾取都市」のような響きがある（故人の偉大なジャンル評論家ジム・ホリデーの言葉を引用する）。しかし、これは、業界屈指の秀作である、考え抜かれたドラマチックなセックス映画であることは間違いない。
アネッタ・ヘヴンについて、この作品を見るまでただのポルノ女優であると理解をしていたことを恥ずかしく感じる。
彼女は最も幽玄な美しさで、上流中流階級の弁護士ジョン・レスリーの妻ヴァレリー役を魅力的に演じている。
1日のほとんどを一人きりで過ごす彼女は、より卑猥なセックスを経験したいという衝動に駆られる。その目的のため、彼女はマダム・ジャシンダの高級娼館に午後だけ住み込みで働くことにする。ハウス・ガール」のサンディ・ピーニー、色っぽい歌姫のデジレ・ウェスト、悲劇のヒロイン、クリスティン・ヘラーの指導の下、彼女は、欲求不満の校長先生「ラジオ」レイ・ウェルズや、*親に固執する変人ジョン・シーマンなど、その店を頻繁に訪れる孤独な常連客たちの空想を叶える方法を学ぶ。しかし、夫のビジネスパートナーであるポール・トーマスが、うっかりと、その店にやって来てしまうまでは...。ヴァレリーの悪友である、ずる賢く、ずる賢いローリアン・ドミニクは、半ば無自覚な空想の促進役、あるいはギリシャ悲劇の女声コーラス隊のような存在として、傍観しながらのんびりと様子をうかがっている。
難なく興味をそそる賢い脚本を、グラバーは称賛に値する繊細さで演じている。もちろん、グラバーは一流の撮影技術も担当している。セックスシーンは常に生々しく、激しい。普段は淑女然としているヘイヴンが、レスリーとの印象的な夫婦***の場面で、髪を下ろして思いきり羽目を外している。ケイ・パーカーは、*性的なマダム役でセックス以外のデビューを果たし、皮肉にも、その後の出演作よりも老けて見える。非常に興味深い折衷的なサウンドトラックは、現実世界のさまざまなソースから借用しており、その中には、フランスの前衛派／ミュージック・コンクレートの神様、ピエール・アンリの楽曲（その中には彼の人気曲「Psyché Rock」も含まれる）も含まれている。この楽曲は、この監督が3 AMという素晴らしい姦通映画制作デビューを果たした際にも、すでに採用されており、素晴らしい効果を上げていた。
作品は田舎での幼少期のトラウマが、女神アネット・ヘイヴンが演じる魅力的な若い女性ヴァレリーを、他人との関係において不適合へと導いていく。すでに成人していた彼女は、夫との関係にもサイコパスのような行動を感じ取り、夜になると家を出てサンフランシスコのクラブを放浪し、安易なセックス、下品な行為、露出狂を求め、経済的な必要性からではなく、純粋な悪徳のために街娼X として働くことさえあった。
ここでも、女性の不満は男性の欲望に対する理想的な対比であり、また、この物語の骨格となっている。この物語は、まったく独創性はないものの、趣味の良さと非常に魅力的なエロティックなビジョンで描かれている。
これは70年代後半の偉大なポルノ作品のひとつである。
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